キミのとなり

「体が暑くて。頭の中がグルグル、フワフワするの」
「熱が高いからね。」
「目を開けとくのが、辛いの」
「うん。今、薬が一生懸命結衣の中で戦ってるから、目は瞑ってていいよ。寝てな」

手探りでゆうちゃんの白衣を見つけ、ギュッと握った。
「朝ごはん、食べられなかったんだって?」
「…うん。食欲無いし、お腹すいてない」
「無理にとは言わないけど、せめて水ぐらい飲みなよ。そうしないと脱水になる」
「…うん。分かってる…」

そんな短い会話をゆうちゃんと交わした。その間も頭をゆっくり撫でてくれる大きく、優しい手に安心して、白衣の裾を握ったまま眠ってしまった。