「そうですね。確かに病気を治すためには心臓移植しか方法はありません。薬でのコントロールもいつか限界が来るかもしれません。でも結衣ちゃんは生きることを諦めていません。この先10年20年それ以上生きることを」
「私がこんなんじゃ、結衣に怒られますね。あの子だって春には大学生です。いつか結婚して家庭作って、そんな普通の幸せをあの子にも見せてあげたいんです。」
涙ながらに言うお母さんの肩を抱きお父さんは唇を噛み締めていた。