時刻は22:30を越えた。
医局で少し遅めの夜ご飯を食べていた。今日は鮭とシーマヨのおにぎり。

今夜の当直は僕と後輩の川本先生だ。まだまだ現場経験は少ないけど優秀な先生。
おにぎりを頬張りながら、携帯を見ると結衣からだった。

メールを確認し、唖然とする。
「大丈夫かよ、その医者…」
小さな声にも関わらず静まり返った医局では十分聞こえる。
「えっ?何か言いました?原田先生」
「ううん。ごめん独り言」
そんな会話をしていると、パタパタと廊下を走る音がして、看護師さんが慌ててやってきた。