「佐伯さーん。3番にどうぞ」
ノックしてドアを開けると、いつも通りのゆうちゃん。
「先生こんにちはー」
「結衣ちゃん、こんにちは。そして検査お疲れ様。結果も大丈夫そうだね」そう言ってパソコン画面を眺める。
「脈も落ち着いてるし、心配なさそうだ」
「ホント?良かった」
「多分、疲れから来てただけかな」
「そっか。じゃあ安心した」
「僕も」そう言ってニコッと笑った。
「じゃあ、胸の音だけ聞かせてもらおうかな」
聴診器を耳にかける。「はい、深呼吸しててね」15秒ほどの診察だけどいつも緊張する。
「うん。音も大丈夫だ。」そっと聴診器を外した。