その日の午前中。
夜中と同じように、なんだか息苦しい。
胸に手を当て、目を閉じて深呼吸をしてみる。
そんな姿を見て「佐伯、調子悪いの?先生呼ぼうか?」隣の席の子に声をかけられた。
「ん?ううん、大丈夫。ありがとう」
そう言ったけど息苦しさは治らない。

次の教科は移動教室だ。
リカたちと、教科書を持って移動するけど、なんだか苦しい。私に合わせてみんな、ゆっくり歩いてくれるのに。それでも合わせるのが辛かった。
「ごめん。みんな。先行ってて。トイレ行ってから行くから」
これ以上、付いて行けなくなって嘘をついた。
「オッケー。じゃあ後でね」
みんなと別れ廊下の窓枠に思わず手をついた。
苦しくはないけど、疲れた。ただそれだけ。
結局、時間内に移動できず、遅刻してしまった。