「琴音………っ!!」

「………!?」

私の名前を呼んだ声に私は肩を震わせた。
だってその声は私を苦しめた、鷹斗さんだったから。

「………鷹斗………さん」

私は恐る恐る振りかえって彼の名前を呼んだ。
そこに立っていた、鷹斗さんは私が好きになった鷹斗さんとはかけ離れていた。

「………っ!」

「久しぶりだね、琴音!」

前は、肌がほんのり黒くて髪だって綺麗に整えられてい。
服はピシッとしてるのですっごいカッコよかった。
なのに今の鷹斗さんは………。

「琴音、会いたかった………っ!!」

そう言って私を抱き締めようとする鷹斗さんは、
昔の面影なんて全くなかった。
肌はあまり外に出ていないのか、白くて。髪は伸び放題。
服はよれよれでとっても痩せていた。
そして目の下にはくまができていた。

「………っ」

私は言葉が出てこなかった。
だって嫌でも考えてしまった。

もしかしたら鷹斗さんは私のせいでこうなったのかって………。
やっと出た声は私の弱々しいかすれた声。

「鷹斗さん………学校は………?」

いろいろ聞きたいことはあった。
だけど一番先に聞きたかったのは、学校のことだった。
だってこんな前みたいなカッコよさはなく、その格好で外を出歩いてるってことでしょ?