君の声が聞きたい

もう私のことを忘れているんだったらいいけど………でも忘れてないんでしょ?
だったら、今会いに行ったら絶対、よりを戻さなきゃいけなくなる。
だから行きたくない。

「隼人君は………私に、鷹斗さんを会わせようとするためだけに私に近づいたの?」

ずっと聞きたかった。
記憶を取り戻した後も。
お父様と隼人君が言い争ってるときも。

「どうなの、隼人君!?」

お願い、隼人君。
違うって言って!
私は隼人君を信じたいの!!
初めてできた大切な友達だから。

「隼人君………っ!」

「最初は………そうだった」

最初は………?
じゃあ今は………?
今はどう思ってるの?

「………今、は?」

「………っ!」

「………琴音、帰ろう。この男がいると知ってたら転校してたのに………。こいつは答えられない。今、必死で考えてるんだ」

違うよね?何て伝えたらいいのかわからないんだよね?

「………俺は」

私はあなたと一緒にいて気がついたの!
私は隼人君………あなたのことが好きだって………。

「琴音とずっと一緒にいるうちに………好きになってた。兄さんのこととかちょっと忘れてた」

「………っ隼人君!」

今、隼人君………私を好きって言った………よね?
隼人君………私は君を信じるよ?

「………隼人君!!」

「琴音っ?!」