君を手放したくない

『琴音………、俺はずっとお前のことが好きだよ』


『だから俺から離れようなんて思わないで』

『私はもう別れたい!もう無理だよ………っ!』

『何が無理なの?』

『だって………』

私は何が無理であの人を一人にしてしまったの?
どうして私の方が苦しそうなの?

「………ねっ!………とね!琴音っ!!」

私は誰かに呼ばれて目を覚ました。
そこには心配そうに私の顔を覗きこんでいる隼人君の姿が。

「………っ」

一瞬だけど隼人君があの夢の中の彼に見えた。
今回はいろんなことを聞けた。
それにあの夢の中の人の背中………とっても優しそうでたくましかった。

「………隼人君」

私は無意識に彼の名前を呼んでいた。
彼は目を見開いた後、私を抱き締めた。

「隼人君!?」

私は驚きつつも顔が真っ赤だった。
どうして私、隼人君に抱き締められてるの!?
私はプチパニックを起こしていた。

「よかった………琴音が目を覚ましてくれてっ!」

「………」

また………心配かけちゃったんだ。
私、本当何やってるんだろう………。
もうこれ以上、隼人君達に迷惑なんてかけたくないよ。

「隼人君、心配かけてごめんなさい。でも………もう大丈夫だからね?」

私が君から離れれば大丈夫かな?
これ以上心配かけさせないよね?
だから大丈夫だよ?
もう大丈夫。