君の声が聞きたい

テスト返されるのは確か………ちょうどお父様が帰ってくる日だ。
百点であることを祈ろう………。

「琴音ちゃん、今日は何食べる?」

「えっと………」

学食のメニューっていろいろあるから迷うんだね………。
どれにしようかな。
全部美味しそうだし!

「琴音、何する?」

「あっ、まだ決まってなくて………」

「………何で悩んでるの?」

「えっと………」

正直………どれも美味しそうだからまだ何も決まってないんだよね………。

「隼人君は何にするんですか?」

私は隼人君に聞いた。
それで隼人君と同じのにしようと思って。

「ん、俺?」

「はい」

「パン………かな?」

「パン、ですか?」

「うん」

すごい間があったな。
もしかして隼人君は私がまだ決まらないから最初から私が食べたいのを選んで半分こにしようとしたのかな?

「じゃあ、私はハンバーグにします!なので半分こしましょうね!」

「………うん!」

やっぱり!
隼人君、優しいな………本当に。

『………琴音っ』

急にあの夢な彼の声が聞こえた。
私は胸を押さえた。

「………っ!」

何で………?これも夢………なの?
助けて………。誰が私の名前を呼んでるの?

『琴音………っ!』

「はぁはぁはぁ………っ」

ダメだ………。