君の声が聞きたい

「………はいっ!」

私は嬉しくて、皆にばれないように下を向いて歩いた。

よかった!
私でも康平君の力になれるんだ。
そう思ったら心が軽くなった。
今の私は生き生きしてる。
とっても楽しくて幸せ。

この幸せが永遠に続きますように………。

私はそう強く心の中で願った。


「琴音ちゃん、ノートありがとう!」

「あっ、うん!テストできた?」

「うん!もうバッチリ!!全部琴音ちゃんのおかげだよ〜!」

そう言われて私は赤くなった。

「ち、違うよ!康平君が頑張ったからだよ!お疲れ様!!!」

私は笑った。
作り笑いでもない心の底から。

「琴音、康平」

「隼人君!」

「隼人、テストできたか?」

そう言って隼人君の首に腕をまわす康平君。
隼人君はうざいって顔してる………。

「できたよ」

「マジか!?何点くらい?」

ちゃんと答えるんだ………。
本当にうらやましいな、二人の仲のよさは。

私は心の中で笑った。


「琴音ちゃんはできた!?」

「えっ………!?」

突然話題を私にふられ混乱しつつも答える。

「うん、できたよ」

ごめんね、嘘ついちゃった。
本当はそんなに自信ないんだよね………。

「でも百点じゃないかも………」

百点じゃなかったらお父様に怒られちゃうな………。