君の声が聞きたい


「琴音ちゃ〜ん!!」

「康平君!」

私は車を降りて大倉さんにお礼を言ってから康平君のところに急いで行った。

「康平君、おはようございます!」

「うん、おはよー」

相変わらず一緒なんだな、二人とも。
私にはそんな友達いなかったからな………。

「琴音ちゃん」

「はい?」

急に名前を呼ばれて返事をする。
康平君は話すのが好きらしい。
いっぱい話しかけてくるから。

「今日も学食行ける?」

「あっ、はい!!」

「よかった!なっ、隼人?」

ん?何で隼人君なんだろう?
別に私がいても隼人君は喜ばないと思うけど………。

「今日の四時間目、テストだろ?」

「はい」

「嘘、まじで!?」

突然話題をふってきた隼人君に私は返事をする。
康平君は今知ったみたいな口調で言った。
きっと勉強してないんだ………。

「康平君!」

「………琴音ちゃーーんっ!!どうしよう、助けてーー!!」

泣いてすがり付く康平君に苦笑いしつつも私はこう言った。

「私のノート貸そうか?」

「えっ、本当っ!?」

「ごめん、やっぱり嫌だよね!無理にとは言わないから………っ!」

急に言われても困るよね?
それにお節介だよね?

「嬉しい、ありがとう!」

「えっ………?」

「じゃあ、教室行ったら貸して!」