君の声が聞きたい

「旦那様は確か、今日から一週間近くまでお仕事で東京に行かれましたよ?」

「そうなんですか………」

おかしいな。
何にも聞いてないんだけど………。

「あの、清水さん!」

「はい?」

「あの明日からちょっとお弁当をやめて違うのにしてもいいですか?」

「でも何にするんですか?」

「えっと………」

学食って言ったら怒られちゃうかな?
でも嘘つくのはよくないよね?

「お友達と学食というところに行きたいの………」

「あら、お友達ですか?」

「はい………」

やっぱりダメだよね?

「いいんじゃないですか?」

「本当ですか!?」

私は目を輝かせて聞いた。
私の問いかけに頷いた清水さん。

「やった!ありがとうございます、清水さん!」

お礼を言って私は自分の部屋に行った。
それで着替えてベッドに座った。

やった!これでまたあの二人と学食行ける!!

幸せを噛み締めていた。
そしてふっと、今朝の夢を思い出した。

「あの夢………」

やっぱり気になるな。
だけど今はそれどころじゃない!
思いっきり楽しまなきゃ!!

ここは深い闇。
私は今、そこにいる。
誰かが私の名前を呼んでいる。

『琴音………っ!』

まただ。
何でまたこの夢?

『………琴音』

やっぱり泣きそうな声。
何でそんなにつらそうなの?
『』