君の声が聞きたい

「そうみたいですね」

私はお嬢様なんか嫌だ。
何でも手に入るけど私は………。

「学食………行ってもいいですか、一緒に?」

自分の意思で動きたいの。
だからごめんね、お父様。
今日だけは許してください。

「もちろん、一緒に行こ!」

「ねぇ、琴音ちゃんって呼んでもいい?」

「………はい、もちろんです!」

「じゃあ、俺のことは康平って呼んで!」

「………康平、君」

「うん!よろしくね、琴音ちゃん!!」

「はい、よろしくお願いします!」

自分の意思で動くと世界が広がる。
そして色づく。

「俺のことは隼人でいいよ、琴音」

「っ!」

呼び捨て!?
後、なんだろう………。
胸が一瞬ざわついた。

「よろしくお願いします、隼人君」

「うん」

きっと気のせいだよね?
呼び捨てで呼ばれてびっくりしただけ。
そう………だよね?

そしてあっという間にお昼になり。

「琴音ちゃん、学食行こ!!」

「あっ、はい!」

私は初の学食に胸が高鳴っています!
どんなのがあるのかな?
ステーキとかキャビアとかかな?

「えっ、白石さんも行くの!?」

「今日はお弁当じゃないんだ」

「俺らも学食行く?」

ん?なんか急に騒ぎ出した。
どうかしたのかな?
皆、そんなにお腹空いてるのかな?