目が覚めた。朝だというのに真夏の日差しは、どうやら私に優しくしてくれそうにないみたい。鉛のように重たい瞼をどうにか持ち上げ、着慣れた制服に着替える。

私の名前は、廣木七彩(ヒロキナナセ)青葉高校に通う高校二年生。勉強、運動、普通。趣味も特にない。何にも取り柄もないただの高校生だ。あ、だからといって学校が嫌いというわけではないむしろ好きだ。毎日一緒に過ごす大切な友達がいる。でもどこか、同じ事を繰り返すだけの日常に物足りなさがあった。

そう君に出会うまではね