アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

私はもう息が切れていると言うのに、内本さんは立ち止まってもくれない。

「こんなに……早く……動かなきゃ……ならないので……しょうか。」

「これから各階を回って、資料を集める事までは、お話しましたね。」

「は……い……」

「その後に、社長室へ戻ってそれをコピー。製本、会議室の準備となります。それだけならまだしも、私達は他にも仕事を抱えています。ゆっくりと、のんびりしている暇は、はっきり言ってありません。」

私は心の中で、ひぃーっと叫んだ。


私がそんな状況になっている中、内本さんはさっさと、オフィスの中に入って行く。

「部長。今日の会議の書類、受け取りに参りました。」

「ああ、内本ちゃん。ご苦労様ね。」

部長と言われた人は、内本さんの後ろにいる、私に気づいた。

「内本ちゃん、その子は?」

「この方は、今日から社長秘書になりました、水久保つむぎさんです。どうかよろしくお願いします。」