アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

さっきの場所で折橋さんと降りて、私達はマクドナルドへと入った。

「うわー、何しよう。」

私は、隣で子供のようにはしゃいでいる折橋さんを見て、思わず笑ってしまった。

「えっ?そんなに可笑しい?」

「可笑しいですよ。だって、何でも手に入る折橋さんが、マックではしゃいでいるなんて。」

そう言って折橋さんの顔を見上げたら、優しそうな顔で、微笑んでいた。


「そっか。つむぎさんから見れば、僕はそう見えるのか。」

「えっ、あっ、いや……」

「僕はね。小さい頃から、何不自ない暮らしをさせて貰ってきた方だと思う。でも、一度も同級生と同じ物を、買って貰った事がないんだ。」

私は首を傾げた。

「どうしてですか?」

「そんなモノは、庶民の為のものだ。我々には、必要ないってね。」

寂しそうに、カウンターを見る折橋さんを、私は抱きしめたと思った。