アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

「ところで奥様は、その時何をしてらっしゃったんですか?」

「何をって、トイレに行ってたの。」

「左様ですか。それでは、誰かがその隙に持っていったとしても、奥様は、気づかないでしょうね。」


私は、目をパチクリさせた。

「そんな、まさか……」

「えっ?」

林さんは、空になったビール缶を持って、キッチンへ戻ろうとして、振り返った。

「そんな事って、あるの?」

私は、林さんに聞いてみた。

「……全くないとは、言えませんな。」

「そうだよね。」

私は足を組んで、両手を組んでみた。


「奥様。もしや、思い当たる事でも?」

「うん。だってあの時、社長室にいた人、内本さんだけだよ。」

「旦那様の、秘書の方ですね。」

「うん。」


あの時は、頭が真っ白になって、ワーワー騒いじゃったけれど、冷静に考えてみれば、あの人が持っていけば、床になかったのも、納得じゃない?

私は眉間にシワを寄せながら、考え込んだ。