「珍しく、五貴さんから会議の資料を、渡されたの。」
「ほう。本当に珍しい事ですね。」
「でしょう?」
私が入社して、会議の資料を作るようになってから、だいぶ経つけれど、こんな事は初めてだ。
「ところがね、その五貴さんから貰った資料が、どこかに行ってしまったのよ。」
「へえ。紙に足でも生えたのでしょうか。」
真面目な顔でボケる林さんに、私は口をあんぐり開ける。
「これは、失礼。」
私は気を取り直して、話を続けた。
「でもね、いくら探してもないのよ。床にも落ちてないし、他の資料とも混ざってないし。」
「不思議な事も、あるものですね。」
「うん。」
お替りのビールを林さんに注いでもらいながら、私はもう一度、あの時の事を思い出した。
確か、五貴さんの資料は、一番上に置いてあったはず。
何かの拍子で飛ばされたのなら、床に落ちていても、おかしくないのにな。
首を傾げた私を、林さんは見逃さなかった。
「ほう。本当に珍しい事ですね。」
「でしょう?」
私が入社して、会議の資料を作るようになってから、だいぶ経つけれど、こんな事は初めてだ。
「ところがね、その五貴さんから貰った資料が、どこかに行ってしまったのよ。」
「へえ。紙に足でも生えたのでしょうか。」
真面目な顔でボケる林さんに、私は口をあんぐり開ける。
「これは、失礼。」
私は気を取り直して、話を続けた。
「でもね、いくら探してもないのよ。床にも落ちてないし、他の資料とも混ざってないし。」
「不思議な事も、あるものですね。」
「うん。」
お替りのビールを林さんに注いでもらいながら、私はもう一度、あの時の事を思い出した。
確か、五貴さんの資料は、一番上に置いてあったはず。
何かの拍子で飛ばされたのなら、床に落ちていても、おかしくないのにな。
首を傾げた私を、林さんは見逃さなかった。



