アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

その日の夜は、疲れがどっと出た。

「あー!仕事の後のビールは、美味しいね。」

今日は五貴さんが、空君のところへ行っていていない日。

私の晩酌の相手をしてくれたのは、林さんだった。

と言っても、林さんは飲まずに、ただ私の愚痴を聞いてくれているだけなんだけどね。


「珍しいですね、奥様がそんな事を仰るなんて。」

林さんはそう言いながら、私のおつまみを作ってくれている。

「そうでしょ。今日は朝から、すごく忙しかったの。」

「ほう。」

「まあ、私が全面的に悪いんだけどね。」


口ではそう言っているけれど、心の中では、”何であのタイミングで無くなるんだ~!”と叫びたいくらい。

「そうだ。聞いて、林さん。」

「何でしょう。」

「今日の朝、いつもと同じように、会議の資料を集めて、まとめていた時なんだけどね。」

林さんは、作ったおつまみを持って、ダイニングにやってきた。