アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

「会議の資料、間に合いそうか?」

五貴さんも心配になって、デスクの側に来てくれた。

「間に合わせます!」

急がば回れで、丁寧に編集して、誤字脱字チェック。

よし!

後は、会議室のセッティングだけ!


「終わった!」

「うわっ!」

急に私が立ち上がったものだから、後ろにいた五貴さんに、頭がぶつかってしまった。

「社長!大丈夫ですか!」

内本さんが、五貴さんの側に駆け寄った。

「ちょっと、あなたね!」

「す、すみません!」

そして顎を押さえながら、顔を上げた五貴さんは、痛みを堪えながら、はははっと笑っていた。

「さすがはつむぎ。間に合わないかと思っていたけれど、大丈夫だったな。」

「五貴さん!」

嬉しくて、思わず内本さんの前で、五貴さんと抱き合ってしまった。


その時に、内本さんが『チェッ!』って、舌打ちしてしているのを、私はあろうことか、聞き逃していた。