アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

私は、大きくため息をついた。

「……あの時、益城さんに言い寄られていたの。」

「えっ?」

五貴さんの表情が、微妙に曇った。

「私の事好きだからって。でも、私には五貴さんしかいないからって言ったんだけど、自分といた方が私は幸せになるって、聞かないのよ。」

五貴さんは、茫然と立っていた。

「黙っていたのは、私がそんな事言っても、五貴さんは益城さんの事を信じるだろうし、例え私の事を信じて貰ったとしても、二人の仲が悪くなるのも、嫌だから……」

ふと前を向くと、私は五貴さんに抱き締められていた。

「馬鹿だな。俺は、何があってもつむぎの言う事を信じるよ。」

「五貴さん……」

私は五貴さんの背中に、腕を回した。


「反って、嫌な思いをさせた。ごめん。」

五貴さんはそう言って、私をぎゅっと抱きしめてくれた。

嬉しい!

けれど、林さんが気になる!


「あの……五貴さん。林さんが……」