アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

そんなに気になるんだったら、何か話せばいいのに。

私も負けじと、五貴さんをじーと見つめる。


「……有我と、仲いいのか。」

「仲良くありません。」

「嘘つけ!キスしようとしてたじゃないか!」

新聞をテーブルの上に投げ捨てた五貴さんは、私の事を睨んでいた。


「もしかして、私が浮気をしているとでも?」

「そんな事は、言っていない!」

「じゃあ、どういう事を言っているのよ!」

私と五貴さんは、林さんを挟んで、睨み合いを始めた。

「お二人共、落ち着いて下さい。」

間に入っている林さんは、突然の夫婦喧嘩にも冷静だ。

「何があったんですか?」

「今日、つむぎが有我とイチャついていたんだ!」

先手を切ったのは、五貴さんだった。

「イチャついてません!あれは……」

言おうとして、私は止まってしまった。

「あれは、何だ!」

「あの……」


言っていいものか、悩む。