アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

「そうと決まれば、今日から私が泊ってもいいかな。」

「急に?」

それにも五貴さんは、すごく驚いていた。

「善は急げと言うだろう。さあさあ、二人は家に帰った帰った。」

お父様に病室を追い出された私達は、しばらく廊下で茫然としていた。


「おいおい、本当なのか?」

「最初っから、お父様一人で大丈夫なのかしら。」

私達が難しい顔で、うんうん唸っていると、急に病室のドアを開いた。

「なんだ、まだいたのか。さっさと、家に帰らないか。」

「はいはい。」

五貴さんは、不貞腐れたように返事をした。


「五貴さん、なんだか子供みたい。」

「そりゃあ、あの人から見たら俺は、まだまだ子供だからね。」

そして私達がエレベーターの前まで歩いてくると、五貴さんは私に手を差し出した。

「帰ろうか、つむぎ。俺達の家に。」

「うん。」

そして私達は手を繋ぎながら、エレベーターの中に乗った。