そこには、五貴さんと目元がそっくりな男の子が、眠っていた。

「可愛いね。」

私は、少しだけ空君に近づいた。

「空君。私は、パパの新しい奥さんだよ。空君とも、家族になるね。」

眉も頬も、目も口も、何も動かない。

だけど、五貴さんはずっと、この子の側にいるんだ。


父親として。


私は、目元を拭うと五貴さんの方を向いた。

「五貴さんは、どこで寝ているの?」

「ああ、この隣にベッドがあるから、そこで寝ている。」

見れば、簡易ベッドだった。

いくら付き添いだからって、毎日これで寝ているなんて。

「朝はどうしているの?ここから出勤するの?着替えは?シャワーは?一体どうしているの?」

攻め寄る私に、五貴さんは戸惑っていた。

「ごめんなさい。私、五貴さんが心配で……」

すると五貴さんは、私の手を取って、ソファに座らせてくれた。