今更、怖気づいてしまう事なんてない。


お父様は、私を見ながらドアをノックした。

「はい。」

「私だ。」

お父様は、スーッと病室のドアを開けた。


そこは、見た事もないような景色だった。

大型の機械が、いくつも子供の体に、取り付けられていた。

まさに、機械で生きているようなものだ。


「今日は、特別な人を連れて来たよ。」

「特別な人?」

五貴さんは振り返って、私の姿を見ると、驚いて立ち上がった。

「つ、つむぎ!?」

そして、一歩一歩私の元に、近づいて来た。

「どうしてここに……」

「益城さんに教えて貰ったの。空君の事。この病院にいるって事も。」

「有我に?」

五貴さんは、額を思いっきり叩いた。

「あの時か……」


益城さんと私が、二人きりになった時の事を思い出したのを見て、私は居たたまれなくなった。

なんだか、悪い事をして情報を得たみたい。