アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

「益城さん、コーヒーがいいですか?」

顔を給湯室から出したら、ソファに益城さんの姿がない。

「益城さん?」

体を出すと、誰かに後ろから、抱き着かれた。

「ひっ!」

「しぃぃ!」

振り返ると、私に抱き着いているのは、益城さんだった。

「ここだよ。」

低くくて甘い声に、一瞬ドキッとする。


「止めて下さい。私は人妻ですよ。」

「人妻ね。その言葉、言い響だな。」

そして有我さんは、私の髪を指で掬い取る。

私は、再度睨んだ。

「おっと、その怒ってる顔も、可愛い。」


もう、何を言ってもダメだと思って、私は益城さんの手を振り切った。

「もう、終わり?」

「当たり前じゃないですか?」

私は給湯室の棚から、コーヒー豆を取り出す。

「おかしいな。他の女の子は、喜ぶんだけどな。」

「どういう女の子を、遊んでるんですか?」

後ろを向くと、いつの間にか、益城さんが私の後ろにいるし。