アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

その辛そうに話をする五貴さんを、私は抱きしめた。

「すぐ別れを切り出したんだけど、時々ああやって、昔の関係を迫るんだよ。でも俺は、それにはのっていない。俺には、つむぎだけなんだ。」

私は、何度も頷いた。

「信じてくれるね。」

「うん。」

そう言うと五貴さんと、久し振りにキスをした。

なんだか、恋人同士だった時のキスとは、違うみたい。


「そうだ。お腹空いたでしょう?今、食事を……」

「ああ、その必要はない。」

そう言うと五貴さんは、玄関に向かって歩き出した。

「いいね、そう言う事だから。俺がつむぎ以外の女に、行く訳ないんだから。そこをしっかり理解してくれなきゃ、困るよ。」

「はあ……」


なんだろう。

気持ちは近づいた気がしたのに、体は離れて行く。


「じゃ。」

靴を履いた五貴さんは、外に出ると玄関のドアを閉めた。

しばらくして、車が走り去って行く音がする。