アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

つむぎは涙を浮かべて、五貴を見た。

「……内本さんが、私達の関係を知らないでしょう?って、言ってるのを聞いたのよ。」

すると五貴は、つむぎを抱き寄せた。

「やっぱり、あの時だったか。」

五貴の抱きしめる力が、強くなる。

「あの後、君を追ったけれど、聞く耳を持ってくれなかった。当たり前だね。俺がそうさせたんだ。」

優しい声が、つむぎの耳に届く。

「内本君とは……以前に、付き合っていた事があるんだ。」

「えっ!」


まさかの、元カノ!?


「俺もいろいろあって、精神的に疲れていたんだと思う。誰か、支えてくれる人が欲しくて……そんな時に、玲亜……内本君が、側にいてくれたんだ。」

内本さんが元カノだった事よりも、そんな大変な時期があったなんて。

私の方がつらくなってきた。

「でも内本君は、俺の側にいたかった訳じゃなくて、俺の後ろにある金の側にいたかったんだ。」