アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

結婚前のニート生活で、ほとんど貯金を使い果たしてしまったんだ。

「あああっ!私は、どこに行けばいいの!?」

「いっそ、諦めたらいかがでしょうか。」

林さんの冷静な一言に、だんだん慣れてきている事が、不思議だ。


そうだ。

どうせ五貴さんは、家にいないんだ。

このまま優雅に、ここで暮らしてもいいじゃない。

私が、立ち上がった時だ。

玄関の開く音がした。


「つむぎ!」

「い、五貴さん!?」

急に顔を出した五貴さんに、林さんは驚きもせずに挨拶をする。

「旦那様、お帰りなさいませ。」

そしてまたまた驚く事に、林さんはその後、廊下の奥に消えてしまった。

残されたのは、息を切らした五貴さんと、突然の五貴さんの登場に、驚いている私だけ。

「つむぎ!う、浮気してるなんて、誤解だよ!」

「ウソ!だって、私この耳で、聞いたもの!」

「何を聞いたの?」

五貴さんは優しく、私の肩を掴んだ。