アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

林さんは、家の受話器を持って、どこかに電話し始めた。

「ああ、旦那様。お忙しいところ、申し訳ありません。実は、急用でして。」


えええっっ!!!!

林さん、五貴さんに電話してるのおおおおお!!


「はい。率直に申し上げますと、奥様が旦那様の浮気を、疑っておられます。」

「は、林さああああん!!」

頭を抱えると、林さんが受話器を見つめた。

「旦那様に、お電話を切られました。」

「どうしてええええ!」


私は、両手を床に着いた。

林さんの行動にも驚くが、なぜ五貴さん、電話を代って弁解してくれないの?

そんな価値もない妻なの?

やっぱり、騙せると思ったから?


「……林さん。私、しばらくここを出る。」

「畏まりました。それで、どちらへ?」

「どちらへって、実家……」

そう言って私は、ハッとした。


結婚する事になって、両親へ連絡したら、電話の奥から万歳が聞こえてきた。