アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

お手伝いさん(名前は、本当にまだ知らない。)が作ってくれた食事を堪能し終わり、五貴さんと二人でテレビを観ていた時だ。

「あっ、お風呂。」

私が立ち上がると、またお手伝いさんが、私の隣に立っていた。

「ひぃぃぃ!」

「驚かせてすみません。お風呂は、準備しておきました。」

私は、膝がガクッと落ちる。

「お、お風呂も沸かしてくれたんですか?」

「これが、私の仕事ですので。」

そう言って、平然と立ったままでいる。


「あの……私、自分でできる事は、したいんですけど……」

「お気になさいますな。奥様は、悠然とくつろいで頂ければよろしいのです。」

それを見ていた五貴さんは、クククッと笑っている。

「つむぎ。人の仕事を奪っては、いけないよ。」

「えっ?人の仕事?」

驚く私を、五貴さんは隣に座らせた。