アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

「ね。大丈夫でしょ?」

そう言って五貴さんは、ニコニコしている。

しかも、その人。

サッサと食材を出すと、トントンと軽快な音を立てながら、それらを切って行く。

絶対に、私以上に料理は上手いはずだ。


「今日の、夕食は何?」

「シーフードグラタンでございます。」

「そうか。」

五貴さんは何か考えると、急に立ち上がった。

「つむぎ、ワインセラーに行こう。」

「ワイン、セラー?」

私は、目が点になった。


「ほらほら。」

五貴さんに腕を引かれ、私は廊下へとやってきた。

「ここだよ。」

「ぎゃっ!いつの間に!?」

普通のマンションの廊下に、ワインセラーがあるなんて、見た事がない。

しかも、何でさっき家の中を見た時に、教えてくれなかったの!?


「つむぎは、ワイン飲める?」

「いえ、その前に飲んだ事が、ありません。」

「そうか。そっちか。」