アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

五貴さんが、パンパンッと手を打った。

「お呼びですか?ご主人様。」

「きゃああああ!」

ついさっきまで、私達の後ろには、誰もいなかったのに!!


「あっ、呼び方変えた?」

「ご結婚されたのですから、坊ちゃまと呼ぶのは、不適切かと。」

「ははは。気が利くね。」

肝心の五貴さんは、まるでそれが当たり前のように、会話を続けている。

私なんて驚き過ぎて、まだドキドキしてるって言うのに。


「突然だけど、今日の夕食、今から作れる?」

「お任せ下さい。」

そしてその使用人の人は、真っすぐ台所へと行った。

そこで初めて、男性の人だと言う事が、分かった。

「お、男の方なんですね。」

「心配しなくていい。彼はなんでも、できるからね。」


その人がガチャと、冷蔵庫を開けると、今日引っ越してきたばかりだと言うのに、食材がたくさん入っていた。

「まさか、買い物も!?」