ココロの好きが溢れたら



歩いて15分程で家に着いた。

玄関のドアを開けて、無言のまま家の中に入る。


「お、おかえり…なさい」


泣いてはいなかったが、帰ってきた俺を見て少し怯えた様子の彼女がリビングにいた。


…泣いてないだけマシか。


そのまま返事も返さずにお茶を飲んでからシャワーを浴びるため浴室に向かった。


汗をかいてベタベタした身体がすっきりとして気持ちが良い。


…さすがに風呂は沸いてねぇよな。


身体を洗い終えて、できれば疲れた身体を温かいお湯で解したい。


さすがに沸いてないだろうと半ば諦めて浴槽の水に片手を突っ込んだ。



「っ…!」



マジか。

沸いてる…。


お湯の温度からして、沸かしてからそう時間が経っていないことが分かる。


「まさか、な…」


あの女が俺が帰ってくる時間を計算して沸かしたのだろうかと考えた。