ココロの好きが溢れたら



するとその女は俺に向かって小走りで駆け寄ってきたかと思うと、そのまま俺に抱きついた。


「会いたかった」と涙を滲ませて抱きついてきたのを見て、やっぱりこいつも他の女と一緒だと思った。


つーか、一度も会ったこともない奴に対して「ずっと会いたかった」とか本気で言ってんの?


なんで泣けるわけ。

……マジで意味分かんねぇ。


しばらくして俺から離れた女が顔を上げた時。


「っ……」


女の顔が一瞬にして凍り付いた。

大きな目を見開き、サッと青くした顔を歪ませている。


そりゃそうだ。

拒絶の意思を込めて睨みつけたからな。


動かなくなった女を置いて練習着に着替えると、俺はさっさと家を出た。


……面倒臭い。


盛大なため息を吐き、俺は学校への道を戻っていった。