ココロの好きが溢れたら



その数日後。

入学式を終えてコーチと少し話をした後、式に参加していた両親と共に真っ直ぐ新しい家へと向かった。


入学式では同じクラスになった俊太に「今日からだろ?同居!」と散々からかわれ、

両親からは車の中で「陽毬ちゃんをちゃんと守るんだぞ」、「陽毬ちゃんは本当にとても良い子なのよ」とずっと言われ続けた。


おかげで俺の機嫌は最低最悪。

早く荷物を置いて練習に行きたい。

俺はイライラしながら一言も話さずに車の中を過ごした。


そんな俺の機嫌を更に悪くしたのは、あの婚約者だった。


「ハルっ…」


俺の名前をハルと呼ぶその女。

写真よりも可愛かったのは確かだが、まず引っかかったのはその呼び方だ。


ハルってなんだ。

勝手に馴れ馴れしく呼んでんじゃねぇよ。