それから一通り家の中を案内された。
シャワルームは広々としていて浴槽にはジャグジーまでついてるし、洗面所もホテル並みにオシャレ。
テレビは何インチかも分からないくらい大きいし、ソファもふかふかで明らかに高級なやつ。
キッチンも収納スペースが多いカウンタータイプ。
……一体ここは誰の家なんだろう?
豪邸…まではいかないんだろうけど、相当なお金持ちの家だよね、これ。
「陽毬、二階に行くわよ」
「あ、うん」
言われるがままにお母さんについていく。
二階は主に個室の部屋があるみたいなんだけど…。
お母さんは迷わず、ある部屋の扉を開けた。
「じゃーん!ここが陽毬の部屋でーすっ」
……。
…………え?
「ほら、もう荷物も移動しておいたから!」
……え?
訳が分からないまま部屋に入ると、そこは本当にあたしの部屋だった。
家具からなにまで、私の部屋を丸ごと移動させたみたいに。
「えと…え…?どういうこと…?」
「びっくりした?次こっちきて」
待って。
説明してくれないの!?