ココロの好きが溢れたら



「で、全部片付いたのか?」


部活中、俊太がさり気なく俺に問いかける。

何が?なんて聞かなくても分かる。



「あぁ。色々助かった。悪い」


俊太はずっと、俺達を見守ってくれてた。

いつも背を押してくれてたのは俊太だった。


「俺、別に謝られるようなことしてねぇもーん」


そう言って俊太は「何のことか知らないわ」と壁を登っていく。


ホント、適わねぇよお前には。


心の中で礼を言って、俺も練習に戻って行った。






「ただいま」

「おかえりなさい、ハル」



家に帰ると、陽毬がカレーを作って待っていてくれた。


「やった、カレーじゃん」

「好きでしょ?カレー。いっぱい作ったからおかわりしてね」


3杯はおかわりいけるわ。


と、その前に。



「陽毬」

「んー?」


キッチンに戻ろうとする陽毬を呼び止める。


「ちょっとおいで」

「なにー?」


近寄ってきた陽毬を腕に閉じ込めると、案の定陽毬が騒ぐ。


「ハル!?」

「うるさい。ちょっと黙って」


今、癒され中だから。

先に風呂に入っていたんだろう、陽毬の髪からふわりとバニラ系の良い香りがする。


暫く抱きしめていると、顔を真っ赤にした陽毬からギブアップの声が掛かった。

抱きしめるだけで顔を真っ赤にする陽毬が可愛くて仕方ない。

ので、我慢できずに頬をにキスをしてしまったのは許して欲しい。


「もうっ、ハル!!」

「悪いって。もうしない」


唇にはしなかったんだから、むしろ褒めて欲しいんだけど。