ココロの好きが溢れたら



「ありがとう、私の勝手な気持ち聞いてくれて」


「ううん。嬉しかったよ」


「んーっ、お陰でスッキリした。

……これでまた、次の恋に行けそうな気がする」



そう言った沙織ちゃんはちょっと切なげで。

でも、何処か吹っ切れたような明るい表情だった。



「今日本当はね、晴翔に話があるって言われてたの。……それを逃げ出して来ちゃった。

でも、陽毬ちゃんを見習って、あたしも逃げずに晴翔と向き合って終わらせようと思う」



沙織ちゃん…。



「あ、そうだ。陽毬って呼んでいいかな?あたしのことは沙織って呼んで!」


「うんっ、もちろん!」



それから沙織と連絡先を交換して帰路に着く。


家に着いてから携帯を確認すると、沙織からメッセージが届いていた。


【相手が陽毬で良かった。本当にありがとう。

あたしの分も晴翔をよろしくね】



「っ……」



沙織。

沙織の想い、しっかり受け取ったよ。


「よろしくね」なんて、文字では軽く言ってるようにみえるけれど。


その一言に、言い表せないほどの沢山の気持ちが込められているのが分かるから、胸が詰まって涙が込み上げてくる。



すごいなぁ、沙織…っ。

私だったら、よろしく…なんて相手に言えたかな…っ…?



沙織の想いの分も一緒に私が未来に繋いでいくから。


いつか、少し先の未来で『あの時は』なんて、一緒に笑い合おうね。