暫く思いをぶつけ合って、お互いに息を切らせて向き合う。
「ふっ…う……~~っ」
沙織ちゃんの目から涙が零れる。
きっと彼女は最初から分かってた。
もう自分の想いが届くことはないんだってことを。
だって私は知ってたから。
ハルが昨日、学校のみんなに真実を話したこと。
『理由があって婚約者がいることを隠すために、沙織にお願いして彼女のフリを頼んだ』
ってことにしたんだと、ハルが言っていたから。
どうしてもハルに振り向いて欲しくて吐いた嘘。
それがバレたらどうなるかくらい沙織ちゃんにも分かってて。
それでも自分を抑えられなくて吐き続けた嘘を、結果的に好きな人に庇ってもらう事になってしまった罪悪感。
どうしようもない自分。
ぐちゃぐちゃになった自分の気持ちを吐き出す場所が欲しかったのではないかと、本音をぶつけ合った今なら分かる。
「好き、だった…っ、」
「うん…」
「本当に、好きだっ…た」
「うん…っ」
「ごめ……ごめん、なさ……っ」
『好き』が溢れると、その気持ちをコントロールすることが出来ない事もある。
自分では制御出来ない、醜くて黒い気持ち。
それによって衝動的に動く自分の身体やココロ。
止められない自分と、誰かに止めて欲しい自分。



