「陽毬、ちょっと相談なんだけど」
「え?なに?」
「陽毬と婚約してること、俺も学校の奴らに話そうと思って」
え……。
でも、それじゃ…。
「分かってる。沙織が心配なんだろ?」
…うん。
沙織ちゃんはきっと、嘘をついていることに罪悪感を感じてるはず。
だって、ハルのことがなければ、沙織ちゃんは本当に優しくて良い子なんだ。
良くないことをしてるってきっと分かってる。
その事から目を逸らして、嫉妬や妬みという強い想いを自分でコントロールできないでいる。
自分で自分を傷つけてるはずなんだ。
ハルが好き。
その想いが、私には痛いほど理解できるから。
ハルは「大丈夫だ」と私の頭をポンと撫でる。
「悪いようにはしない」
沙織ちゃんの事を幼なじみとして大切に思ってるハルがそう言うのだから、きっと大丈夫。



