「じゃあ、陽毬ちゃんのことは?今はどう思ってんの?」
「好きだけど」
「お、おう…」
正直になんの迷いもなく言い切ると、途端に俊太の顔が赤くなった。
おい。
なんでお前が照れてんだよ。
「うん、そっか。陽毬ちゃんが好きか……じゃあ、俺は今まで通り晴翔を応援するわ」
ニコリと笑った俊太は俺の傍によると、1度だけ周りを見渡して俺にだけ聞こえるように話し出す。
「まずな…晴翔は気付いてなかったみたいだけど、1年の間で噂が広まってたんだ」
噂…?
「お前と沙織が付き合ってるっていう噂だよ」
「は!?」
「しーっ!声が大きいっ」
なんでそんな根も葉もない噂が立ってんだよ!?
つーか
「お前知っててなんで言わなかったんだ!?」
早く言えよ!!
なんで黙ってたんだ!!
「だって本当にそうなのかなって思ってたんだってっ」
「俺が陽毬と向き合おうとしてたの知ってたろっ」
「だーかーらーっ!その噂の内容的に本当なのかなって思ってたんだ!揺らすのやめろ〜っ!目が回る〜っ」
噂の内容だ?
なんだそれ。



