ココロの好きが溢れたら


「あの、さっき……」

「晴翔!」


そんな私の声を遮ったのは、あの子の声。


「沙織?どうしたんだ?」


晴翔の、大事な……。


「探してたの。ちょっといい?」

「なに?」

「うちの両親がなんで晴翔は一緒じゃないの?ってうるさくって」

「あー…」


きっと、私には絶対に入り込むことが出来ない場所。


「陽毬、ちょっと行ってくる」


私が割り込んではいけない場所。


「うん…」


ハルは私の頭をくしゃりと撫でて、彼女と共に歩いていく。

去り際に彼女が私を睨んでいるように見えたのは、気のせいだろうか。

ううん、きっと気のせいじゃない。

彼女の目は分かりやすく私に訴えてた。

どうして私がハルの隣にいるのか、と。

どうしてハルを奪っていくのか、と。


どうして

どうしてって、彼女の潤んだ瞳が言ってた。