ココロの好きが溢れたら


「あ、いたいた!舞子〜」


丁度お昼の準備が終わったところで、白幡先輩とハルが私達の所にやってきた。


「舞子みてた?俺の障害物競走!」

「もちろん。カッコよかったわ」

「舞子!!」


ぎゅっと抱きついてきた白幡先輩の背中を、舞子さんがぽんぽんと叩く。

相変わらず仲良しでほっこりする。幸せそう。


「陽毬」

「あ、ハル……っ、おかえりなさい。ハルも凄かったねっ。いっぱい出てたし」


名前を呼ばれて、少しだけ体がビクリとしてしまった。

今の、不自然だったかな…?

変に思われたりしてない、よね?



「あー…あいつら人使い荒いんだよ。人足りないやつ全部俺に2回やらせやがって」


大丈夫。

いつも通り、笑えばいい。


「ハルお腹空いたでしょ?今日はハルの好物詰め込んできたの」

「お、美味そう。いただきます」

「どうぞ!」


ハルが「美味い」とどんどん口に運んでいくのを見て、自分の頬が緩むのが分かる。

本当に単純だなぁ、私。


「陽毬ちゃんすげー!料理ウマっ!晴翔、お前いつもこんな美味そうなの食ってんのか」

「あげないですよ」

「ケチだな。いいよ、俺には舞子の弁当あるもんね。晴翔にはやらない」

「いらないんで早く食ってください」


あははっ、仲良しだなぁ。

それから私も食べようと箸を動かすけれど、あまり喉を通らない。

それでも食べないと心配させちゃうから、無理やりお茶で流し込んだ。


食事が一通り終わったところで、私は意を決してハルに聞いてみようと思った。

あの女の子達が言っていたことが本当なのか。

ウジウジしたところで変わらない。元々私はハル嫌われていたのだから、こんなことどうってことないでしょ?

本人に気持ちを聞いて、そこからどうすればいいか考えればいい。

そうやって自分に言い聞かせて、ハルに声をかけた。


「ハル、あのね…」

「ん?」


ほら、ハルはちゃんと私の話を聞いてくれようとしてる。声だって優しい。

だから、大丈夫。