そんな中、私の近くにいた女子達が言った。
「でも、澤北くんって沙織と付き合ってるんだよね?」
「そうそう。澤北くん人気だから、沙織が女子の……特に女子の先輩達の標的になって虐められないように隠してるんでしょ。晴翔が守ってくれてるんだーって沙織が言ってたから確かだよ」
「沙織美人だもんね。1年生は沙織はみんなに優しくてすごく良い子だって知ってるから諦めてるけど、先輩達はそこも気に食わないっ!みたいな人いるもんね」
モテるだろうことは分かっていた。だってハルは本当にカッコイイもの。
でもそんなに多く告白されているなんて知らなかった。
……ううん、知ろうとしなかっただけだ。
私、どこかで婚約者っていう立場に安心してたんじゃないの?
婚約者だから、誰にも奪われないなんて思ってたんじゃないの?
嫌いだと言われても、婚約者だから。
親が決めたことだから。私から離れていかないなんて、心の何処かで思っていたんじゃないの?
それに、さっき女の子達が言ってた言葉。
『沙織と付き合ってるんでしょ』
「っ……」
その言葉が1番、私の心に突き刺さった。



