唯一私の味方であった良識ある上司、いや元上司様が、手帳とスマホでどこかへ電話をかけていた。
・・・ずっと電話先に謝っている。

「どちらへ電話を?」
「各取り引き先に。僕らは全くもって何も悪くないけれど、取り引き先の人なんかもっと悪くないからね。」
「報連相は基本、でしたね。手伝います。ノパソありますし。」
「また持って帰って仕事したのね・・・でも今は助かるや。急ぎの案件は僕が電話するから、それ以外と小企業は急ぎでメールお願い。こちらも混乱してるので落ち着いたらまた連絡する旨を伝えて。」
「はい、了解です。」

部下たちにも手伝わせ、各方面に謝り終わった頃には、もうすっかり夜だった。