慧も、陸の声を聞いて苦笑いした

「俺だって信じられるかよ…相手のボスが若いからって油断してんだろ。甘く見てんだよ。俺達を」
《マジかよー…俺、部活やったばっかだからシャワー浴びてぇのに…つか、俺が歌舞伎町のキャバクラの前で張り込みしてたとか知り合いに見られたら…》
「その時は、陸。自分で何とかしろ」
《マジかよ!?》

はは…お疲れだな。陸^^;
確かに高校生がキャバクラの前で刀持って立ってたら怪しまれるよな
まぁ、陸には制服以外の服装を指定したはずだけど…

「…」

カタカタ…と、歌舞伎町の例のキャバクラの監視カメラにハッキングして、店の外の映像を見た

「!!!!」

耳に手を当てて、怒鳴った

「ぅおい!陸!!おま、何でジャージ!?」
《違う!ウインドブレーカーな?》
「そこ関係ねっつの!!何で歌舞伎町にジャージ!?」
《いや、動きやすいから…》

店の前の映像には、黒いジャージ上下を着て背中に竹刀袋みたいな紫の袋を背負っていた

「つか、そんな道のど真ん中に立ってないで隠れろよ!!」
《あ、悪りっ;》
「はぁ……」

ま、まあ、陸は武道は強くてもマフィアとか暗殺者として動いたこと無ぇもんな…

《ってか、マジで来んのか?もし来なかったら?》
「大丈夫だ」

慧がきっぱり言い放った

「もうすぐ出てくるぞ…絶対に居る」
「?」

俺も、そこまでは聞いてないから首をかしげた

パソコンの画像に目を戻した






「!!!!」
《はあっ?》

俺が目を見開くのと同時に、マイクの向こうで陸の声が飛び上がり
画面の向こうで陸の肩が強張った

「ゆ…」

《雪…姫!?》

キャバ嬢の格好をした雪姫が、標的ファミリーの部下の集団の中で満面の笑顔を浮かべてキャバクラから出てきた

慧が笑った

「ほらな」