中に入ると、中はそれなりに普通の部屋だった
部屋の中央に、ガラスのテーブルと両脇に黒い革のソファ

光が差し込むドアの前には、1人用の椅子と茶色い机
机の上には英語やイタリア語の書類が山積み
隅(すみ)には万年筆やペンが3本

「ここが、俺の執務室。皆への指令は大抵この部屋で俺が言い渡すね」

執務室なんだ
何か、社長みてぇだな

「時間が無いから、早速色々と説明しておくね。皆も読者の皆も大丈夫かな?」

…この人、俺達の他に誰を気にしてるんだろ…
何か、1時間前に慧がツッコミしたような…

「ここが執務室。皆の部屋は1人1部屋。後で案内するね
ここは日本支部だから、半部以上の人が日本語を喋ってるけど、英語は学校で習ってるよね?イタリア語やフランス語も一応勉強しておいた方がいいかな
この建物の話は誰にも言わないでね…っと、特にお父さんが警察のボスの雪姫ちゃん
君達6人なら幹部と同じくどの部屋の立入も許可するよ。でも相当広いから、しばらくの間は誰かに案内してもらって
この場所に来る場合は、制服でもいいんだけど、どこで誰に見られてるか分かんないから俺達が支給するスーツ着てみて
仕事中は自分達が名門校の学生だって言わないでね」

一通り離し終わったみたいだ
一息ついて、また息を吸った

「…あ、そうだ。俺、本名はとっくに捨ててあるから、ここは日本だから…そうだなぁ…俺のことは朱雀(スザク)って呼んで。ボスでもいいよ」

朱雀さん…ボスって、マジのマフィアみてぇ
…違う。これは本物のマフィアなんだ

「まだまだ話はあるんだけど、とりあえず、君達1人1人の仕事を説明するね」