「有能なマフィアを見つけ出す場所としては、日本で1番便利な場所なんだよ。君達の学校は」

窓の外に見える、堂々と風になびく真っ赤な旗を見つめ、マフィアのボスは言った

「つまり、俺達は狙われてるわけですか?」

卓真が信じられないような声で言った

「うん。信じられないかもしれないけどね。でも、本当だよ。多分、それは陸君が1番知ってる」
「え…!?」

「……っ」

一斉に全員の視線が陸に集まった
陸は床を見つめて拳を握った

「…俺達は、どうすればいいんですか」

陸が気まずそうだったので、早めに話を戻した

「…あ、そうそう。慧君は知ってるかもしれないけど、君達に俺の部下になって、敵ファミリーを探し出して欲しいんだ」
「探し出す?…っつーか、それは本職のアナタが1番得意なんじゃないすか?」

卓真が首をかしげた

「うーん…そうなんだけどね。目星は付いてるんだけど、俺達は直接動けないんだ」
「何でですか…?」

高城が小さな声で聞いた

「俺は、君達が働く予定のファミリーのボスなんだ。ウチのファミリーは結構裏社会だと有名で色々と便利なんだけど、その分顔も割れてるからね…俺や上位の幹部が動くと敵が警戒して生徒に手を出すかもしれないからね^^;」
「……」

マフィアなのに生徒を気遣うとは、予想外だな
確かに悪い男じゃない

「どうかな…皆、俺に協力してもらえないかな?」

「……」

全員が黙り込んだ





「俺は協力してもいいですが」

口を開いたのは、俺だった