「あの…イマイチよく分かんないんスけど…」

卓真が控え目に聞いた
ホス兄(【ホストみたいな兄ちゃん】の略ね 笑)は微笑んで頷いた

「うん。少し長くなるけど、いいかな?」
「どうぞ」

慧が促(うなが)した

「読者の皆も、いいかな?」
「この部屋には俺達以外居ませんが」

慧がツッコんだ(笑

「―君達の高等学校は、確か日本で1番頭のいい生徒の集まる進学校だったよね。北海道から沖縄まで、全ての学生が東京にあるこの学校の校舎を見上げるために毎年かなりの受験生が集まる
そして、君達学生は、並じゃない倍率の受験を勝ち抜いて入学した日本で1番のエリート高校生だ」

確かに―
爽樹と陸は推薦入学だったけど、俺だって受験勉強は必死こいてやった
受験当日は、受験生の数がハンパじゃなくて倍率18倍とか、そのくらい…
そのトップオブトップの慧は、有名大学レベルの問題を簡単に解けるって噂は色んな場所に広まってやがる

「そして、この高校の凄い部分は勉強面だけじゃない。インターハイのファイナリストは毎年必ずこの学校から出ると言われ、全国大会優勝、大会記録の更新…大会記録が自分達のベストだって部活も珍しくない」

何か…ここまで褒められると照れるね、バド部の部長として
まぁ、爽樹も陸も俺も、大会に出て決勝に残るのは普通…なんて言われてるが…
それはそれで褒めてもらえる回数も少ないから残念なんだけどな;

「つまり――」




「有能なマフィアを見つけ出す場所としては、日本で1番便利な場所なんだよ。君達の学校は」

視聴覚室の窓から見える俺達の学校の赤い旗を、ホス兄は見つめた